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今年最も注目すべきは”ずとまよ”じゃなくて神山羊だ

ネット発ミュージシャンの快進撃がここ数年にわたって続いている。もう少し細かく言うなら毎年新しい注目株が出てきている。

5年前、米津玄師のアイネクライネのヒットを始まりとして一昨年は須田景凪Eveがそれぞれシャルルとドラマツルギーというヒット曲を作りネット発ミュージシャンの存在と実力、そしてブームの発生を決定付けた。そして昨年はずっと真夜中でいいのにが秒針を噛むを発表して話題をさらい2019年のブレイク候補と呼ばれるまでになった。他にもヨルシカ美波など人気ミュージシャンが台頭した。

そんな黄金期を迎えているネットミュージック界隈だが今年の注目株は誰なのか

その疑問の答えは個人的には元ボカロP有機酸こと神山羊だと思っている。

元々神山羊はセンスがあった。

バンド音楽であればセンスが無くても爆音で垂れ流したり面白おかしい歌詞で笑いを取りに行くなど誤魔化しようはある。

しかし神山羊の曲はそうではない。彼はシンガーソングライターだしジャンルもロックではなくポップスとかそっち系だ。

J-POPなんていうジャンルは日本人が一番よく耳にするし受け入れやすい音楽なのだけれどその分ありふれすぎていて光るものが無ければ目立たない。

その点、神山羊にはポップス系統のミュージシャンの中でも有象無象に埋もれない作曲センスがあった。そうでなければ有機酸時代に見てる人がいるのかどうかすら不明なニコニコ動画のインディーズカテゴリーなんかで多くの再生回数を得ることは出来なかっただろう。

特にセンスが光っているのは電子音の使い方だ。曲中に電子音を入れて謎に耳当たりの良いメロディを産み出すミュージシャンと言えば米津玄師が真っ先に思い浮かぶだろうが神山羊は彼ほど加減をしていない。通常ちょっとしたエッセンスとして使うのが電子音だが神山羊はケミカル・ブラザーズのようなエレクトロユニットばりの使い方をする。それゆえに彼の曲はサラッと聴きやすいポップミュージックでありながら同時に高い中毒性を持っているのだ。

現在YouTube上で1000万回以上再生されているYELLOWなども非常に中毒性が高いキラーチューンとなっている。楽曲の後半に向かうにつれてグルーヴ感は高まっていき大サビで最高潮に至る。完璧な構成だ。

特筆すべきなのが電子音なだけであってそもそも音の使い方全般が上手い。たぶんDJをやらせてもめっちゃ上手いだろう。そう感じさせるところがある。

ただ、YELLOWを聴いたときは若干の懸念があった。YELLOWはどちらかと言えばボカロファンとか歌い手ファン向けの雰囲気の楽曲である。そういう(キツい言い方をするなら)オタクっぽい曲を今後も作り続けるのならオタクではない層からの評価を得ることは難しいだろう。

そんな心配をしていた。

その懸念は続いて公開された青い棘を聴いて払拭された。これは普通の人が聴いても抵抗感無く受け入れられる曲だ。歌詞もボカロチックではないし。

Eveのようにネットユーザーの間で確固たる地位を築くことも悪くないがやはりポップス系統の曲はより広い層に受け入れられてこそだろう。

神山羊はそうなる力を確かに持っている。青い棘はその証明と言える曲だ。

【NEXT米津玄師】

その歌声と電子音を使うところから神山羊をこう評する声も少なくない。

これ自体は素晴らしい高評価だと思うがまるで米津玄師の下位互換のような言い方になっているところが少々気になる。

米津玄師と神山羊には音楽性に明確な違いがある。米津玄師の方が手広く様々なジャンルに手を出しているのに対して神山羊はジャンルを絞っている。それゆえポップスに関して言えば米津玄師の下位互換どころか現時点でほぼ同列にあるのではないだろうか。

米津玄師をレオナルド・ダ・ヴィンチに例えるなら神山羊はゴッホだ。万能ではなくとも有する一芸は劣らない。

また、現在の音楽業界のブームは神山羊にとってプラスになるものである。

King-gnuTempalayのような(正確にはちょっと違うんだけど)シティポップ系の耳障りの良い曲がここ最近はキている。このブームは神山羊の音楽にとって被る箇所もあるため間違いなく追い風となるだろう。

神山羊が米津玄師とは違うベクトルで価値を評価される日はそう遠くないのかもしれない。

気になった方はぜひチェックを。

ではでは。

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古衣

バンドとボカロ好きが高じてブログを書いたりDTMをしてすごしています。